御 祭 神

稚 産 霊 神  ワクムスビノカミ
豊 受 姫 神  トヨウケヒメノカミ
倉 稲 魂 神  ウカノミタマノカミ

※ 稚産霊神 ワクムスビノカミ

ワクムスビ(ワクムスヒ)は、日本神話に登場する穀物・養蚕の神である。『古事記』では和久産巣日神、『日本書紀』では稚産霊と表記される。
『古事記』では、神産みの際、火の神・火之迦具土神(カグツチ)を生んで火傷を し病に伏せった伊邪那美命(イザナミ)がした ゆまり(尿)から化生した。ともに ゆまり から化生した水の神である弥都波能売神(ミツハノメ)との間に豊受媛神(トヨウケビメ)を生んだとしている。
『日本書紀』の第二の一書では、伊邪那美命が軻遇突智(カグツチ)を生んだことによって死ぬ間際に土の神・埴山媛(ハニヤマヒメ)を生み、埴山媛と軻遇突智の間に稚産霊神が生まれたとする。
そして頭に蚕と桑、臍の中に五穀が生じたとしており、『古事記』におけるオオゲツヒメ、『日本書紀』におけるウケモチのような食物起源の神となっている。
神名の「ワク」は若々しい、「ムスビ」は生成の意味であり、穀物の生育を司る神である。五穀・養蚕の神として信仰されており、他の食物の神と一緒に祀られることが多い。

※ 豊受姫神 トヨウケヒメノカミ

トヨウケヒメノカミは、日本神話に登場する神。豊受大神宮(伊勢神宮外宮)に奉祀される豊受大神として知られている。『古事記』では豊宇気毘売神、『日本書紀』では豊受媛神と表記される。
別称、豊由宇気神、大物忌神、豊岡姫、屋船豊宇気姫命、止由気大神、止与宇可乃売神、と呼ばれる等々『古事記』ではイザナミの尿から生まれたワクムスビの子とし、天孫降臨の後、外宮の度相(わたらい)に鎮座したと記されている。
神名の「ウケ」は食物のことで、食物・穀物を司る女神である。後に、他の食物神のオオゲツヒメ・ウケモチなどと同様に、稲荷神(ウカノミタマ)と習合し、同一視されるようになった。

※ 倉稲魂神 ウカノミタマノカミ

ウカノミタマは、日本神話に登場する神。『古事記』では宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、『日本書紀』では倉稲魂尊(うがのみたまのみこと)と表記する。
『古事記』では、スサノオの系譜において登場し、スサノオとカムオオイチヒメ(オオヤマツミの娘)との間に生まれ、大年神は兄としている。『日本書紀』では本文には登場せず、神産みの第六の一書において、イザナギとイザナミが飢えて気力がないときに産まれたとしている。
名前の「ウカ」は穀物・食物の意味で、穀物の神である。京都・伏見稲荷大社の主祭神になっていて、稲荷神(お稲荷さん)として広く信仰されている。別名をミケツカミ(御饌津神)という。キツネの古名である「ケツ」と混同し同一視されることがあるが、キツネの姿をしているのは稲荷神のお使いである。
『古事記』・『日本書紀』ともに名前が出て来るだけで事績の記述はない。性別がわかるような記述もなく、男神とも女神ともされる。稲荷神社の総本社である伏見稲荷大社では女神としている。
穀物の神としてだけでなく、農耕の神、商工業の神としても信仰されている。伏見稲荷大社(京都市)などの全国の稲荷神社で祀られているほか、ビルやデパートの屋上、工場の敷地内などにも、屋敷神として稲荷神を祀る社が設けられている。 例えば、日本橋三越デパート屋上の三囲神社がそうである。